もう幼ければなんでもいい

【長編ADV】真・丹下学園物語~battle on the edge~「終章」 感想

真・丹下学園物語~battle on the edge~は、最近公開されたフリーの長編ノベル。
プレイ時間は25時間ほど。

最後まで読ませていただく程度にはがっつりプレイできたものの、
読み進めていてどうも気になった点が多く、そのことを主に書きながらこのゲームの感想をまとめる。



【ストーリー】


そこは関東の秘境・群馬のハズレにある学園。この春、その学園に入った
新入生「ノブ」。部活にも顔を出さずに、趣味である「同人誌の執筆」に
日々の時間を費やしていた。

そんな地味な日常を送っていた彼だが、ある日、転機が訪れる。
ふとしたキッカケから学園長に声をかけられ、ある依頼をされたのだ。

  「それを達成すれば、ひとつだけ願いを叶えてやる」

当然、そんな話など信じずに依頼を断るノブ。だが「学費の全額免除」
という話を耳にして、彼は話に飛びつく。彼は貧乏学生だったのだ。
表向きは普通の生徒会。だが、任務を遂行する為に選ばれた者たちの
集団だったのだ!

そして始まるバトル。「ガベージ」と呼ばれる敵を「掃除」する為に、
生徒会の仲間達は互いに協力する事になる。だが、学園長から渡された
武器は古臭い謎のゲーム機(?)のみ。ノブは仲間たち協力しつつ、
生き残る事が出来るのだろうか?


DLページより。



【全体の作り】

主人公は4人おり、1人クリアするごとに次の主人公が解禁される。
ただ、主人公の視点が異なるだけで描かれる時系列は同じだし、
4人目の主人公に近づくほど物語の核心に近づくというわけでもない。

それぞれの主人公のルートごとにノーマル、グッド、ベストエンディングがあるらしく、選択肢で分岐。
4人全てでベストエンディングをとらなければどうやらクリア扱いにならないらしい。

…のだが、4人クリア後にベストエンディングを狙おうとしても、
どの主人公がベストエンディングを取れてないのかを覚えてないと最初から全てやり直しになる。
更に、致命的なことに文章スキップ機能がないのでとても時間がかかる上に、
ベストエンディングに行けるとは限らない。

攻略サイトもなく、自分はここでプレイを断念。



【テキスト】

テキスト自体は良好、読みやすくていい感じ。
変に凝った言い回しもないのは非常に好印象。
バトルパートも中々悪くない。

一方で、ギャグ関連が苦痛レベルのものが多いのが残念。

脈絡もなくなぜか先生に殴られる主人公(1枚絵付き)というネタを、1ルート中に13回も繰り返されるとか。
第1主人公の口癖が「おいィィィ!」「どぅへ~!」とか(たぶん合わせて100回くらい見る)。
ヤクザみたいなハゲが唐突にデフォルメ化されてYO!を連発したりとか。
いろんなキャラが、何の理由もなく主人公の名前を呼び間違えるとか。
突然すぎる謎の福本パロディが出てきたりとか。


自分の感性に依るところもあるのだろうけどちょっと寒かった。
少なくとも13回の天丼はテンポを悪くするだけで何も面白くなかったのだけど、
エンディング終了後に「主人公は理不尽な先生に 13回 も殴られました」的メッセージをわざわざ表示させたりして、
まぁこの世から戦争はなくならないなって思った。

それと気になったのが、一人称視点と三人称視点が切り替えタイミング。
基本は主人公の一人称視点なのだけど、たまに突然三人称視点になる。
主人公一人しかいない状況なのに突然三人称になったのはちょっと酷いと思った。



【絵】

かなり良い。

問題なのがキャラによってイラストレーターがバラバラなので統一感がとても残念なこと。
まあこれはフリゲに限らず時として商業作品ですらあることなので個人的にはそこまで気にならなかった。
ただ、絵柄がかなりかけ離れているキャラが同一画面に居るため違和感は強い。
ちょっと他人におすすめしにくくなるポイントではあるのかなと思う。



【ボイス】

フルボイス。
フリゲで(というのは、あまり使いたくない言葉だけど)これは凄い。

一部キャラが若干聞き苦しい、棒読みなのはあるけれども、全体的には及第点だと思う。
少なくともボイスOFFにするほどではなかった。

ただ致命的なことにメインとなる第1主人公が最高に棒読みで、
そんな状態で「おいィィィ!」「どぅへ~!」とか連呼されるのが一番キツかった。
こんなコロコロコミックみたいな口癖を付けなくとも、十分キャラは立っていたと思うのだけど。



【キャラクター】

主人公(男)4人はどれも中々のイケメン。
全員、魅せる場面で結構魅せてくれる。

それぞれの主人公に対応するように4人のヒロインがいるのだけど、こちらに関してはかなり影が薄い。
まあバトルモノの宿命というべきか、戦闘における活躍の場面が殆どない。
とは言え悪いやつらではない。

最悪なのが学園長ことハゲこと丹下。
自分の学校の生徒に死ぬ危険性が極めて高い化け物退治をさせておきながら自分ではなにもせず、
シリアスな場面になると突然おちゃらけてYO!YO!言い出す


実は物凄く強いらしく、常人の65535倍強いやつが、丹下には睨まれただけで何もできなくなる
もうお前が全部一人で解決しろよ。
お前が無理なら誰やっても無理だよ。

また、エンディングのスタッフロールで「丹下は作者の分身」というとても知りたくない事実が判明するけど、
これはゲーム外についてのことなのであえて何も言わないでおく。



【その他、プレイ中に気になったこと】

前述したように、同じ時系列の同じ事件を、4人の主人公の視点を通して見ていくという構成になっている。
なのに、第1主人公での物語の最中に、第2主人公視点になる場面がある。
それはこのゲームのストーリーでかなり重要なことが判明する場面のために第1主人公の時点でプレイヤーに伝えたかったのだろうが、これでは主人公ごとに視点を分けた意味がない。
しかも第2主人公でプレイした際にまったく同じ場面が繰り返される。

この世界の人間は意思素粒子という魔力を持っている。
意思素粒子には質量があり、常人は20グラム分の意思素粒子を持っている。
第1主人公は成長したことで常人の500倍の10kgの意思素粒子を保持するようになる。
で、とある主人公の意思素粒子は常人の65535倍らしい

計算したら1300kgとかになった。歩くだけで床沈むわ。

意思素粒子が強さの全てと言っておきながら、
意思素粒子10kgが意思素粒子1300kgに何故か普通に勝つ。
戦闘前にペットのわんこの意思素粒子を受け継いでいたので、たぶんわんこの意思素粒子が1290kgくらいあったのかもしれない。

化け物退治に必要な道具を見せられ、説明を受ける主人公。
後日もう一度その道具を見せられるのだが、その際の主人公の台詞が「なにこれ」
ええと…記憶障害?

丹下「この仕事は死ぬかもしれないが、安全だ」
主人公「安全ならやるわ」

主人公、死に掛ける

主人公「安全なんじゃなかったのかよ!」

いくらなんでも酷すぎる

ネクラなオタクで無難にことを進めたがるはずの第1主人公が、エピソード1でほぼ初対面のヤクザ丸出しの男の胸倉を掴む

極秘任務を遂行するために目立つことはするなとか相棒に指示してたやつが、
ちょっとしたことで怒って学校の下駄箱を蹴り飛ばして消滅させる。
おいおい。

何の脈絡もなく出てくる「アカシックレコードの書き換えます」という文章。
そっかーアカシックレコードの書き換えで死人が全員生き返るのかー
すごいとおもった。

本作にはアイキャッチが存在するが、本来ならこれは一区切りついた時に使われるものだと思う。
が、このゲームではご丁寧に専用BGMと共に戦闘の真っ最中にも突然アイキャッチが入る。
しかも別に場面も転換しない。
意味がわからない。

ゲームタイトルが
【 真・丹下学園物語~battle on the edge~「終章」 】
なのだが、「※この「終章」には、「本章」の内容も全て含まれています。
その為、「本章」をダウンロードする必要はありません。」
とのこと。
じゃあ「終章」外したほうがいいのでは…。





フルボイスの長編ノベルという大作。
それだけに、作品の規模にそぐわない部分が目立ったという印象。

読みやすいテキストは文句なしで素晴らしい点。
大変素晴らしい力だと思うので、そこを活かした次作を期待してます。

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する