

フリーゲームで最近公開されたThis Time Onlyという長編RPG。
プレイ時間13時間ほどで、プレイを断念しました。
【マップが酷い】

マップが暗い。とにかく暗い。
町の中ですら薄暗いのはちょっと酷い。
ダンジョンなんかどこが歩けるのか視認が困難なレベルの箇所まである。
視界が狭いのではなく、ただただ画面が暗い。
つまり目が疲れるだけ。
どうやらこのゲームの製作者にはリアル志向があるらしく、紹介ページではこのように書かれている。
本作では利便性をあえて捨てた箇所があります
1.極力現実世界に似せる目的で街・ダンジョンが広い
→現実世界で街なのに家が宿屋、武器屋等の他に民家少ししかないとかあり得ないため
マップが暗いのもそういうリアル寄りにしたかったからなんだと思う。
別にそれはいいけど、じゃあランタンなりなんなり光源を持っていくという選択肢くらい欲しいよ。
自分はこういう、「現実じゃありえないから、あえて不便にする」という考え方が大嫌い。
洞窟に明かりも何も持たないで入るのが製作者にとってのリアルなんだろうか?
【バグが酷い】
バグや不自然な挙動が多いのも問題。
戦闘中に選択カーソルが暴走することが何度もあったり、イベントのフラグがおかしかったり…
そしてバグ修正を放棄している驚愕のアイテム説明文。

いろいろ言いたいことはあるけど、もうこんなアイテム削除してしまえとしか思えない。
そもそも今日日、いつでもどこでもセーブできないフリゲという時点で何がしたいのかよくわからない。
それがゲーム性に繋がるならまだしも、こうやって普通のショップでセーブアイテムを買えちゃう。
拘りがあるのか無いのかよくわからない。

装備画面でボタン1個押すだけでこうなる。
もう何がバグで何が仕様かすらわからん。
【テキストが酷い】
誤字や誤用が異様に多く、萎えるレベルを超えて理解を妨げるレベルで頻発する。
キメの場面でまで堂々と誤字があるのはちょっと…
A「お前は俺から物を奪った」
B「略奪はお前だッ!(大文字)」
略奪したのはお前だ、と言いたかったんだろうか。

現行犯…?

メニュー画面の誤字すらついに修正されることはなかった。
ほかにもシステムメッセージが「だ・である調」と「です・ます調」が混合されてたり、
テキスト面は本当に残念なところが多い。
【システムが酷い】

戦闘内、戦闘外でもシステムがあまりにも複雑すぎる上に多すぎる。
作中で説明されないものまである。
説明されるものも、ゲーム序盤でガーーーーーっと説明されて、あとはマニュアルを読んでねという、フリゲでありがちなやり方。
これに付き合えるほどの体力がもう自分にはなかった。
もうさ、敵が手に入る金が2種類あって、そのうち片方には複数の用途があるとかさ、
金のシステムの時点で面倒くさいゲームってなんなのさ。
受けられるクエストにもなんか受けられる場所・報告先が2種類とかあってなんかあーーーーもーーーー
戦闘中のシステムに関してはもう何も書きたくもない。
それくらい多くて複雑で、不要だった。
最後まで理解できなかったシステムもある。
まあ「フリゲあるある」ではある。
【ザコ戦が酷い】
ザコ敵が異様に固い。
そのくせオートが機能があまりにも頭悪すぎて、まともにキャラが攻撃してくれない。
(ここまで酷いオート機能はファミコンのDQ4以来)
結果自分でコマンド入力したほうが速いけど、やっぱり固くてダルい。
敵が固い。
それだけだったらまあ問題なかったのだけど、ほかの数々の要因と重なってゲームを糞にしてる。
まず基本がシンボルエンカウントだけど、前述の通りマップが暗くて敵がそもそも見えない。
さらにダンジョンの都合で突然ランダムエンカウントになったりして、避ける権利すら与えられない。
次に、逃走確率がファミコン~スーファミのクソゲーレベルに低い。
レベル差があってもまともに逃げられない。バグを疑うレベルで逃げられない。
最後に、DQ風に言うと「戦闘中常にMPがガンガン回復していく」上に、
「最初からベホマラー~ベホマズンが使い放題」のバランスのため、ザコ戦が作業でしかない。
RPGにおける「ザコ戦ってただの作業では?」という命題に対しては、
道中のリソースを有限・回復困難にしてゲーム性を持たせたり(DQなど)、
あるいは割り切ってザコ戦はサクっと終わるようにしたり(ざくざくアクターズなど)というものがあるだろうけど、
このゲームでは「道中にいくらでも回復し放題な上にザコ戦1戦1戦が長い」という、苦痛な作業しかない戦闘が続く。
こんな状態なのにアップデートで敵全ての能力が1.1倍にあがりましたとか言われたらさ、投げちゃうよ俺。
ある意味、勉強になった。
【技の分かりにくさが酷い】
技があまりにも多すぎる。
1回のレベルアップで1つくらいの頻度で技が習得していくので、
技ひとつひとつに愛着がまったく沸かないまま使わなくなる。
しかも技ごとにコストが決められており、一定のコスト量までしか技をセットできないというシステムとの相性が最悪。
要はレベルアップのたびに付け替える必要がある。
イベントで技を習得することも多く、本当にすさまじい勢いで技が増えていくため、
「今覚えた技ってなんだっけ…?」となることもあった。これは俺が悪いかもしれないけど。
参考までに現在レベル19の主人公が、52個技を使えます。
ちなみに性能を把握できてるのは10個くらいです。使ったことない技も多いです。

さらに技の説明文が致命的にわかり難く、戦闘システムの煩雑さと相まって、
「これを理解して楽しめるのは作者だけなのでは」という気分に。
フリゲのあるべき姿ではあるのかもしれない。
【ダッシュが酷い】
酷いっていうか無い。
ダッシュがない。
ゲーム全体の速度を倍化させるボタンはあってこれで擬似ダッシュができるけど、
上記の通りマップが広いせいで大体の場所で動きがすっげえカクカクになる。
【ドット絵(の扱い方)が酷い】

解像度が変で、ドット絵が常に潰れてる。
マップでも戦闘中でも潰れてる。せっかくの良素材が。
しかも使ってる素材がバラバラのせいで明らかに巨体なメイドさんがすべての町にいたりする。

普通はこういうのはそこまで気にしないけど、このゲームの場合はリアルじゃないから気になっちゃいますね。
【結論】
悪いところが多すぎて、好きになれそうなところまで嫌いになってしまう。
そんな作品だった。
ストーリーやキャラクターは結構好きだっただけに、とても残念。
リアルなんてクソ喰らえだ


