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もう幼ければなんでもいい

【長編RPG】『大正あやかし怪異録』 感想


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『大正あやかし怪異録』は、今年の8月に公開された公称プレイ時間50~70時間以上の長編RPGです。

『大正あやかし怪異録』 DLページ




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物語の舞台は大正時代の日本。
新聞記者である主人公「九」妖怪たちと接しあえる不思議な力を持ち、記者として様々な事件を追いながら、人間から悪魔まで、色々な人物たちと縁を深めていくことになります。





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登場人物のデザインやストーリー、そして街を彩る様々な施設からは大正時代の趣がちゃんと感じられます。
バトルの演出も凝っており、敵味方ともに自作グラフィックなのもあって、ツクール作品を長くプレイしている人にとっても新鮮にプレイできる作品だと思います。



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日本の妖怪にとどまらず、海外の悪魔や亜人といった様々な化外の存在が出てくる寛容な作風も大きな魅力のひとつです。



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見ての通りキャラクターやグラフィック等、パッと目に入る部分で人を惹きつける力が物凄く強いです。

ではすぐに目に入らない部分、つまり実際にプレイして分かるゲーム性の部分はどうなのかというと……
非常に個性的で強烈なバランスに仕上がっています。





「戦闘の難易度はなかなかに高くレベル上げは必須です」と作品DLページに書いてありますが、その「なかなか」がどの程度かと言うと

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まず最初のダンジョンからして、雑魚戦2~3戦でズタボロになります
作品全体を通してエンカウント率は極めて高く、戦闘が終わってから1~5歩歩いただけで再エンカウントすることも珍しくありません
反して逃走確率はかなり低い上に1~2回逃走に失敗するとそのまま全滅することもよくあるので、これに頼ることもできません。
回復アイテムも持ち込める数に制限がある(各種9個まで)上に種類がかなり少なく、かつ効果も微妙
極めつけに、セーブは特定の場所でしかできないという昨今のフリゲにしてはかなり珍しいタイプとなっているため、セーブして少し進んだらまたセーブ、という戦法も取れません。
大正の名を冠する作品だけあり、かなりクラシカルな仕様です。

どうあがいても雑魚戦と向き合う必要があり、地力で雑魚戦を安定して突破し続けられる戦力がこのゲームにおいて必須となっています。

なので休憩ポイントを利用しながらコツコツレベルを上げなければ話にならないんですが、本作はかなりレベルがあがり辛いため、ダンジョンと休憩ポイントを何十回も往復もして少しずつ経験値を貯めていくことになります。
多分ここまでで4割のプレイヤーが脱落します。

なんとか頑張ってキャラを鍛えながらお金を稼いで装備を整えることで、なんとか雑魚をある程度余力を持って倒せるようになるのですが、そうして辿り着いた先のボスがまた鬼のように強い



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圧倒的に少ない回復手段でどうにかやりくりしつつ、死にものぐるいでダメージを与え続けていると会話イベントが発生。
疲労困憊の中、それがボスの死に間際の断末魔であってくれ、これで決着であってくれと天に祈るも、画面をよく見ればそこに表示されていたのは遊びはここまでだという宣言でした。
回復アイテムを買う金もなく、雀の涙程度の回復量の技と道中で拾ったおやつでどうにかここまでやってきた2人パーティに対し放たれたのは、無慈悲にも全体に5割近いダメージを与える必殺技
おそらく、ここで更に4割が脱落します。





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徹底的にプレイヤーが楽をできない戦闘バランスは序盤から中盤にかけてがピークであり、全力の状態で雑魚戦に挑んでも普通に負けるような状態で、上記のマップを隅から隅まで調べる必要がある学校ダンジョンなどもあります。
基本的に中盤までは、雑魚戦1戦ごとに回復ポイントに戻って長い時間レベル上げをしないとゲームが成立しませんでした。



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中盤以降になると回復技を使える控えメンバーが増えたり、回復アイテムの種類も増えてきて雑魚戦1戦1戦自体は急に楽になります
ところがちょうどそのあたりで、ダンジョンの構造自体のほうが非常に意地悪なものになり、目に見えないダメージ床、予測困難な場所にある落とし穴、ひたすらに広大なマップ、超難易度イライラ棒、謎解き要素などが出始め、これらが上記の高エンカウントと合わさることでまた別方向からプレイヤーの心を折りにくるようになります。





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単純な敵の強さ、ダンジョンの厄介さという点でも難易度が高いのですが、この作品の難しさを底上げしているのは根底のシステムでもあります

・全滅したら普通にゲームオーバー
・セーブが特定場所でしかできないため、ダンジョンの道中で死んだら全部パー
・ダンジョンから脱出するアイテムやスキルがない。
→上記の仕様と相まって、ダンジョンの道中では少し消耗したら早めに帰還しないと非常に危険。
・ボス前の回復ポイントがHPのみ回復できるものの場合が中盤までは多い。
→回復ポイントがあるだけ優しいという見方もできる。何故かボス前に回復ポイント自体がないダンジョンもあるが。



とにかく、徹底して楽にはクリアさせないという強い意志を感じる作りになっています。
ただし大事なのはバランス調整に失敗した結果こうなっているのではなく、意図的にこういう厳しい難易度になっていることでしょう。
ふりーむにはバランスに関してちょっと辛辣めのレビューも来ているのですが、それでもバランス調整がされていないあたりは製作者の方が強い拘りを持ってこのような作風にしているように思えます。

これまでに書いた数々の要素も、昔の時代のコンシューマRPGならば割とありふれた仕様のものも多いです。
従ってそれらは問題点では決してなく、作品の特徴としてとらえ、楽しめる人が楽しむべきなのでしょう。
現代のユーザーフレンドリーな作品に慣れしたんで来たところに襲来した大正からの刺客ともいえるかもしれません。





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実際自分はこの作品をプレイしていて、とても苦しくもありましたが、同じくらい楽しくもありました
特に最初は雑魚モンスターとも死闘を繰り広げていたのが、少しずつ少しずつレベルを上げた結果いつしか対等に戦えるようになり、装備も整えたことでついに優勢に立ち回れるようになったことを実感した瞬間の、あの快感。
子供の頃はよくRPGを苦労しながら進めていたなあと、ノスタルジックな感傷に浸らせてくれました。



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グラフィックやキャラクターは本当に素晴らしくて、新しいキャラをもっと見たいというのもプレイのモチベに繋がっていると思います。
BGMもチョイスも良く、特に中ボス戦の曲は非常にアツい。





プレイ時間50時間越えのボリュームを考えても、間違いなく大作といっていい本作。
しかし、ふりーむのレビューにもありますがその時間の大半はレベル上げやダンジョンと回復ポイントの往復です。
それが楽しめるなら神ゲーになりますし、そうでなければそうでないゲームになります。

最近のゲームは優しすぎる……とお思いの方は、是非とも『大正あやかし怪異録』をプレイしてみましょう。

『大正あやかし怪異録』 DLページ

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コメント


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難易度ストロングスタイルなRPGですな(* ̄∇ ̄)ノ

洒落にならないエンカウント率、セーブ制限、雀の涙な経験値。クソRPG三大条件コンプしつつも進めたくなるストーリー。やばいですね!

(* ̄∇ ̄)ノ | URL | 2020年09月20日(Sun)23:48 [EDIT]

いつもコメントありがとうございますー。

かなり辛い要素がある一方でそれが楽しくもあり、雰囲気は純粋にとても素晴らしい作品なんですよね…。
一概に悪いゲームとは言えず、少なくとも自分の中ではお気に入りですわ…

JAKE | URL | 2020年09月21日(Mon)23:26 [EDIT]